みんなが別人。
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季節は巡る。
あなたの香りと思い出も
置いてこれればいいのに
置いてきた指輪。
そこにあった指輪を親指で確かめる
もうだいぶ前のことなのに
滑る親指に違和感を感じる
奇妙な感覚だけが蘇り
私の歩く音は無音になる
意識は指先へと流れてく
掴むは暗闇
星は降らない
名前は無かった。
冷たい床を感じながら
自分の思いを文字にする
目は外部に据えられて
自由を奪うは自分
比較して嫉妬して
また殻に閉じ籠る
誰かが値札を付けてくるのを待っている
悲壮な叫びを無視しながら
思いはいつも死が咲く場所へ行きたがる
単なる甘え
私の名前は無かったのだと宣告されれば
抵抗するくせに
恵まれた環境という苦痛を背負って
時は私に何も教えてくれないのを知った
会いたいなって思ったよって伝えようと思った。
昔からそう
思っていても伝えない
どういう顔して言葉にしたらいいのかわからないから
だから紙切れがたくさん積もってくんだ
満月の夜、淋しい季節がくる。
昇ってゆく月を眺めてたのは私だけ
あなたの後ろ あなたは見ない
月を見上げるよりも
私にキスして
ピリオドを忍ばせて。
寄り掛かるあたしを
時間は運んでく
カウントされていく点と点
繋がることは滅多にない
交差した時
少し光を見たと思ったのに
見間違いだよと
あなたはいつもすぐに否定するの
王国の王女の顔が見たい